近年のハードウェアの高速化とソフトウェアの高機能化により,コンピュータを主とする情報機器は著しい発達を遂げてきました.このため,私たちの身の周りのさまざまな機械を人間にとって使いやすくするためには,多様性や柔軟性に富む人間の特性を踏まえた,人間中心のコンピュータやシステムの設計が非常に重要になってきています.
本講座では,来るべき高度情報化社会において,真に人間のためになる情報環境を我々の周りに構築するために,人間が機械に合わせる従来のマンマシン・インタフェースを脱却し,使い勝手に優れ,人に優しいインタフェースを目指し,マルチメディアを駆使し,人間の五感に反応するインタフェース技術を確立するための研究を進めています.具体的には、マルチメディアを駆使し,情報化された環境に対して,人間の五感に反応する人間中心のインタフェースの確立を目指し,マルチメディア統合技術,仮想環境構築技術,認知工学に関する要素技術の研究を進めるとともに,これらの成果を基に人間の認知機構に関する深い洞察を背景として,人間にとってより自然な形でコンピュータに対することができる新しいヒューマンインタフェース技術に関する研究に取り組んでいます.
マルチメディアの基本要素であるテキスト,音声,図形,映像などの基本特性を明らかにするとともに,コンテキストまで踏み込んだ解析手法を検討する.また,力覚,触覚などの新しい可能性のあるメディアについても検討を加えるとともに,これからの多様なメディアの統合処理手法を検討し,意図,概念のモデル化,表現などへの適用を図る.
コンピュータを誰にでも使いやすいものにするためには,人の普段の生活の中での経験などが直接活かせるようなインタフェースが備わっていることが望まれる.そのような次世代のインタフェースを実現するためのキーテクノロジーがバーチャルリアリティである.コンピュータグラフィックス等を駆使して生成されるバーチャルな世界において,人が実世界と同様の自然な感覚で,またはそれ以上の利便性をもって高度な作業ができるようにするための研究を進める.
世代のコンピュータ・ヒューマン・インタラクションの基盤技術の確立を目指して,人の手振りや顔表情,視線などを利用した認識・理解を通して,人の意図を正しく理解させるための手法と,その結果を正確にまた効率的に仮想世界に伝達・反映して作業を適切に支援するための研究を進める.
コンピュータを主体とする情報システムを対象に,認知工学的なアプローチについての検討を加える.具体的には,知覚,学習,記憶,思考,運動の側面から人間の知的部分の解明を図り,各種情報システムを具体例としてヒューマンインタフェースの認知的側面を明らかにする.
撮影:毎日新聞社
撮影:北村喜文